行政書士は究極のサービス業

行政書士試験に合格して、開業に向けての準備をしている最中です。

その過程で「行政書士って何者?」ということも考えています。

行政書士には他の士業と明らかに違うことがあります。

各士業は中央官庁の縦割り行政の中から出来てきました。
例えば税理士なら財務省旗下の国税庁、司法書士は法務省旗下の法務局、社会保険労務士は厚生労働省、そして弁護士は行政ではなく司法からの要請ですね。

極端なことを言えば、ノンキャリア公務員のための天下り先とも言えます。

その中で行政書士は一応総務省の管轄なのですが、他の士業のように独占的排他業務がありません。
行政書士法によると行政書士の業務は

  • 他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類、その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする
  • 前条の官公署に提出する書類を提出する手続き及び聴聞や弁明の機会の付与の手続きについて代理することができる
  • 前条の作成することが出来る書類の作成について相談に応ずることができる

(*一部分かりやすいように省略しています)
とのことです。

そして大事なのが第1条の2の2項なのですが、そこには「前項の書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限するものについては、業務を行うことができない」とあります。

他の士業は独占的排他業務として◯◯と△△をすることを業とすると規定しているのに対して、行政書士だけはものすごい大雑把にできることを規定した上で、ただし他の士業の法律などで制限されていることはダメよ、と言っているわけです。

なので官公署に提出する書類でも税務署に提出する税務申告はだめ、法務局に提出する登記関係もだめということになるのです。

また権利義務に関する書類とは、例えば個人の遺産分割協議書などが挙げられます。
この書類を作成することは行政書士の業務ですし、相談に応ずることもできるので、通常はすべての相続人全員が納得するような遺産分割について打ち合わせを重ねていくことになります。
ただここで相続人の一人の理解が得られずに争訟に発展してしまった場合、争いの代理をすることは弁護士法72条に違反することになってしまいます。

弁護士は争訟などのときに特定の依頼人のために仕事をしますが、行政書士はすべての依頼人(当事者)のために仕事をします。

このような現状を手かせ足かせと見るか無限の可能性と見るかで180度違ってきます。

行うことのできる業務についてここまで大雑把だと、はっきり言って何でもできそうです。
知り合いの弁護士も玉虫色の行政書士法のおかげで色々なことを仕掛けている元気な行政書士はたくさんいるよ、と言っていました。

今私は、いわゆる開業本を読みあさっています。
こうした開業本が多いのも行政書士の特徴で、その理由として実務経験がなくても開業できること、実務経験を積もうにも求人している行政書士事務所がほとんどないこと、行政書士は開業しただけでは儲からないことなどが挙げられるでしょう。

そうした開業本のほとんどは
「行政書士になったからといって依頼がどんどん来るようなことはありません。経営者的な視点で新しい業務をどんどん開拓して下さい。」
といったことが書いてあります。

ドラッガーによると成長する組織にはイノベーションとマーケティングが必要だとのことですが、士業の世界ではマーケティング自体がイノベーションと言う人もいます。

実際に企業を経営してきた私的には経営者的な視点というのは当たり前だと思うのですが、よく考えたら士業の方たちは一般企業で働いた経験がない人がほとんどではないでしょうか?

この辺りに事務所運営のヒントがありそうです。

当面のところは、取り扱い業務は広く、売りにする専門分野は深くを心がけていくつもりです。

 
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